県外大学の受験や進学、渡航費を支援 子どもの貧困解消で沖縄県


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 子どもの貧困問題解消に取り組む、沖縄子どもの未来県民会議の理事会が16日に県庁で行われ、県外大学進学の渡航費を支援する新規事業を含む2022年度の事業計画案などが承認された。

 22年度事業では、低所得世帯の経済的負担軽減として、県外大学の受験や進学にかかる渡航費を支援する。これまで児童養護施設の退所者や里親家庭への委託を解除された若者らが、大学・専門学校に進学する際に入学金などを全額支援してきたが、進学先の枠を大学院まで広げる。また、教材費10万円の給付も追加するという。

 21年度事業の進展については、寄付金を原資とした給付型奨学金事業により、児童養護施設の子どもの大学や専門学校の進学率が14年の26・1%から20年3月は68%まで向上したという。子ども未来応援助成事業では、困窮家庭を支援するNPO法人など9団体に助成した。

 行政と企業が連携して企業から提供された食料品などを子どもの居場所に届ける、おきなわこども未来ランチサポート事業では、今年1月時点で協賛企業54社から63万1686点の食品を受け入れ、59団体に配布した。
 (嘉陽拓也)