愛されて63年、米須商店が閉店 地域住民ら店主夫婦をねぎらう 北中城・屋宜原


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 【北中城】北中城村屋宜原で63年の長きにわたり地域の人々に愛されてきた「米須商店」が2月27日、惜しまれつつ閉店した。地域の有志がお別れセレモニーを開き、店主夫婦2人のこれまでの労をねぎらった。

家族や地域の人々と記念撮影で花束を持つ米須寛さん(中央左)と静子さん(中央右)=2月27日、北中城村屋宜原の米須商店前

 1959年に開業した店主の米須寛さん(90)は妻の静子さん(86)と共に肉や野菜、日用雑貨品を取りそろえた「まちやぐゎー」として地域の生活を支え続けてきた。

 夫婦で切り盛りしてきた寛さんは、退職後も地域の自治会長19年間、老人会長を10年間務め、地域に貢献してきた。半年前に90歳の節目で運転免許証を返納したという寛さんは「いまだに続けてくれと言われるが、運転もできなくなり決心した。夜勤の仕事を掛け持ちしながら大変な時期もあったが、妻が頑張ってくれた」とねぎらった。

 子5人、孫13人、ひ孫10人に恵まれた静子さんは「子育てしながら大変なこともあったが、夫婦でハワイに行ったのが楽しかった。夫は優しくて働き者。結婚して良かった」と、寛さんをたたえた。(喜納高宏通信員)