公共事業費確保へ検討会 一括交付金減額受け、沖縄県


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知事の出席は7年ぶりとなった県議会予算特別委員会総括質疑で発言する玉城デニー知事=18日、県議会

 玉城デニー知事は18日、県の2022年度一般会計当初予算案を審議する県議会予算特別委員会(山内末子委員長)の総括質疑に出席した。玉城知事は、国の22年度沖縄関係予算の減額を受け、部局横断で公共事業予算の確保を検討する「公共事業等推進調整会議」を17日に立ち上げたことを明らかにした。

 会議はハード事業の一括交付金の減額で影響を受けた部局間で構成する。ハード一括交付金の減額により、県は22年度に予定していた県立学校の新増築事業などを含む26事業の実施を23年度以降に見送らざるを得なかった経緯がある。

 県によると、会議の主管課は財政課で議長は照屋義実副知事が務める。企画部と土木建築部、農林水産部、県教育庁で構成する。沖縄関係予算に限らない各省予算の活用を研究するほか、一時的には県の借金に当たるが、後に国から地方交付税で財政措置される「県債」を今後積極的に活用することも目指す。

 玉城知事は「沖縄振興予算に限らず、各省計上予算の積極的な活用に向けた事業の掘り起こしを図るとともに、地方財政措置のある県債の活用など公共事業などの関係予算の確保に向けた取り組みの強化を図っていく」と述べた。

 同特別委員会に知事が出席するのは14年以来、7年ぶり。この日は、沖縄関係予算の大幅減により、道路や学校建設などのインフラ整備に要する県の「投資的経費」は直近10年で最も低い1137億円となったことに質疑が集中した。

 野党委員は政府に対する玉城知事の交渉力が足りないことが減額の要因だと指摘。これに対し与党委員は、国の指示に基づき成果指標を用いて施策を検証した上で県が予算要求をしたが、政府は減額理由を詳細に説明していないと問題視した。

(梅田正覚)