絵本の力で癒やされて 沖縄在住の漫画家、デザイナーらがプロジェクト コラボ作品も誕生


社会
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「マイピースアートプロジェクト」のメンバー=那覇市おもろまちの沖縄県立博物館・美術館、県民ギャラリー

 【那覇】性別や国、場所、時間に関係なく、暮らしの中の一こまに思いを込めて自由に作品を創作する「My Piece Art Project(マイ・ピース・アート・プロジェクト)」。沖縄県内在住の画家、漫画家、写真作家、筆文字デザイナー、グラフィックデザイナー、会社員などがメンバーで、職業も生き方も表現方法もテーマもさまざま。年1回、絵本を制作し、県立博物館・美術館の県民ギャラリーで「小さな絵本展」を開催している。

 プロジェクトは2004年にスタート。プロジェクトの進行役で絵紡人(えつむぎにん)・さくちかさんが立ち上げた。カフェアート展からスタートし、10年から「小さな絵本展」を毎年11月か12月に開催し、昨年で12回目を迎えた。

 昨年は、きいやま商店のCDジャケットのデザインなどを手掛けるキジムナ前津さんが同級生のタモリンさんとタッグを組み、絵本「コソアド・オレ」を発表した。

 画家の火と水(ひとみ)さんは保護した猫を題材に、琉球新報の土曜日の4コマ漫画を担当するふくはらさなえさんは愛犬を題材にした絵本を制作した。絵本「帰り道」を発表したピカデリー沖縄さんは、絵本を題材にきいやま商店のリョウさんとのコラボ曲が誕生したことを紹介した。

 津田寿子さんは主にトレーシングペーパーと色鉛筆で描いた絵本を制作し、まぁまーるさんは自身が描いた絵本を用いてセラピーもしている。フォトデザイナーのYorix(よりっくす)さん、透明水彩作家のwol(ウォル)さんら合計12人の作家がオリジナル絵本を発表した。

 進行役のさくちかさん自身も作品を生み出し続けており、「描くことが生き方につながりアートが人生の一部になっている。絵本(アート)の力で癒やされてほしい」と語った。

(中川廣江通信員)