モズク「来間株」を特産品に 幹が太くて味もバッチリ、収穫量は2~3倍 宮古島漁協が試食会


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小枝が少なく幹が太い「来間株」

 【宮古島】宮古島漁業協同組合(栗山弘嗣組合長)は9日、市平良の同漁協に市議約20人を招いてモズク加工施設見学と試食会を開いた。特産品化を目指し本格的な養殖を始めたモズク「来間株」の特徴や養殖状況、漁協が抱える課題を説明した。生産者と市議団の意見交換も開き、理解を深めた。

 栗山組合長は行政の支援を求め「モズク養殖は若い世代が増えて頑張っている。ブランド化、特産品化に向けて力を貸してほしい」と訴えた。

 来間株はもともと来間島近海で採れていた太モズク。小枝が少なく幹が太いことが特徴で、従来のモズクに比べて約2~3倍の収穫量がある。味も良いことから市海業センターが培養した種を市内モズク養殖漁師らが近年、こぞって植え付けており、今年から本格的に養殖が始まった。

 栗山組合長によると宮古島では年間約2千トンのモズクが生産されており、うち約千トンを漁協で出荷している。「来間株に置き換わったことで将来的にモズクの収穫量は3~4千トンに倍増する」と説明した。

宮古島漁協の職員(左端)から説明を受けながらモズク加工所を見学する市議団=9日、宮古島市平良の宮古島漁業協同組合

 漁協では漁師が入荷したモズクを加工施設で洗浄し、生モズクと塩蔵モズクに振り分けて出荷、貯蔵している。だが生産ラインが1本しかないため今後、収穫量が増えても対応が難しい状況にある。栗山組合長は加工施設の処理能力について「1日20トンが限界。現状でも追いつかない状況にある」と訴えた。

 モズクの販売先から、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」を満たす施設での出荷作業を求められていることも明かした。栗山組合長は「来間株をブランド化するためにも衛生管理は大切だ。増産を図っていけるように整備をお願いしたい」と求めた。

(佐野真慈)