FC琉球、ホーム3連敗 水戸に1-2 「速攻重視」まだ戸惑い


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 サッカー明治安田J2の第5節第1日の19日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで水戸ホーリーホックと対戦し1―2で敗れた。ホーム戦3連敗となった。通算成績は1勝3敗1分けで、順位は19位。前半は先制点を奪われたが、30分に草野侑己の今季初得点で同点に追い付いた。後半は25分に2点目を奪われ、その後追い付けなかった。次戦は23日、昭和電工ドーム大分で大分トリニータと対戦する。
 

(1)タピスタ
水戸 1勝1分け3敗(4)
 2―1(1―1,1―0)
琉球 1勝1分け3敗(4)
▽得点者 【水】 曽根田(1)高井(2)【琉】 草野(1)
▽観客 1543人

 【評】前後半とも立ち上がりから水戸の勢いに押され、主導権を握られた。1点目はコーナーキックからのクリアボールを蹴り込まれ、2点目は右クロスからの球を膝で押し込まれた。いずれも守備の空白を突かれた。追う立場になってからの攻撃回数が少なく、追い付けなかった。


攻撃の打開策見い出せず 草野今季初得点も2点目遠く
 

琉球―水戸 前半、同点のゴールを決める琉球の草野侑己(右)=19日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 これまで3敗1分けと初勝利に飢えた水戸の牙が、琉球を襲った。前半立ち上がりから勢いに押され、何度もコーナーキックのチャンスを与え、15分に失点。それでも徐々にパスがつながり、30分に草野侑己が「ずっと得点がなかったので起用に応えられてよかった」と語る今季初得点が生まれた。富所悠が中盤でボールを分捕ってパスし、中野克哉と草野の連係でゴールをこじ開けた。

 草野は「後半はロングパスが多く、攻めが単調になった」とボールを奪われて守りに回る時間帯が増えた。2点目奪取の打開策が見い出せないまま時間切れとなった。

 守備の修正とともに、速攻と遅攻の使い分けやチーム内の意識共有も次戦以降の勝負を分ける要素となりそうだ。草野のショートカウンターや山口戦の野田隆之介の得点はまさしく速攻がはまった。一方で富所は「今年は速攻やカウンターを多くやろうと掲げているが、琉球のベースはしっかりボールを支配しながらの攻め。速攻にまだ違和感もあり、もっと成功体験を積む必要がある」と、とまどいや迷いも明かす。

 速攻をしくじれば逆に攻められるリスクもあり、チーム戦術として得意な得点パターンをどう描くのか整理も必要になる。

 (大城三太)


後半、連動せず

 喜名哲裕監督(琉球)の話 前半は互いの距離が良く、セカンドボールを奪う強度も高かった。後半は落ち着いてボールを回す時間が前半より少なく、少し慌てて仕掛けてしまいボールを奪われる回数が多くなってしまった。一人一人のプレーが連動しなかった。


後半ギア上げた

 秋葉忠宏監督(水戸)の話 前半はなかなかギアが入っていなかったが、後半にもう一段ギアを上げてテンポ良くボールを動かせた。勝てないと疑心暗鬼になったり、周りの雑音などが聞こえたりするが(今季初勝利で)、自分たちを信じる強い心でやり通すことができた。