ボリビア移住地から県費留学生 琉球大で畜産学ぶ 眞榮城さん「将来に生かしたい」


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琉球大学農学部の実習フィールドに参加する眞榮城海人さん=琉球大学の牛舎

 ボリビア・サンタクルス県コロニアオキナワ第2移住地出身の眞榮城海人さん(23)が、2021年度沖縄県費留学生として、昨年10月から今年3月末まで沖縄に留学している。

 海人さんは1960年、琉球政府の第9次ボリビア計画移民団としてオキナワ第2移住地に入植した、眞榮城徳全さん=32年生まれ、恩納村出身=の孫。父の豊さんは現在、オキナワ第2移住地に450ヘクタールの農地を所有する。牧場335ヘクタールを営みながら、大豆65ヘクタール、稲作50ヘクタール、冬にはソルゴを栽培している。

 海人さんは将来の後継ぎとして、高校卒業後に農業と畜産を学べるボリビア複音派大学(UEB)の農学部へ進学した。今年、卒業予定だ。

 現在、琉球大学で日本語、沖縄の文化、ウチナーグチを学習する。農学部で畜産のフィールド実習を行いながら、家畜周辺関係学や草地生産管理学、家畜育種学なども学んでいる。

 農学部の授業は「専門的用語が多くて理解するのが難しいこともある。この学びを将来に生かしたい」と話す。沖縄文化の授業では「沖縄とボリビアで続いている沖縄文化の比較」をテーマに発表。「ボリビアでも沖縄文化が継承され続けているので、ボリビアでもその文化を残していきたい」と語った。

 海人さんは、18年に県主催の「ウチナージュニアスタディー事業」で初めて沖縄を訪れた。県費留学は姉2人や元留学生の友人の影響で応募した。
 (安里三奈美通信員)