喜瀬武原小で学びやに別れ 恩納村 休校前、最後の卒業式


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「門出の言葉」として恩師や両親に感謝を伝える卒業生=23日、恩納村立喜瀬武原小学校

 【恩納】児童数減少に伴い4月から休校する恩納村立喜瀬武原小学校(渡慶次安弘校長)で23日、最後の卒業式が行われた。卒業生4人、4月から安富祖小に通う在校生9人と教職員らが学びやに別れを告げた。村教育委員会によると今後児童が増える見込みはなく、再開の予定はない。

児童「力強く前向く」

 今年1月、PTAと喜瀬武原区が「人数の多い安富祖小に通わせたい」との総意を文書で村に提出し、休校が決まった。

 式では卒業生の宇江城陽さん、伊佐紅葉さん、外間優奈さん、菅井玲衣さん=いずれも12歳=が渡慶次校長から卒業証書を受け取り「力強く前を向いて羽ばたいていきます」と述べて、恩師や両親らに感謝した。

 外間さんは「みんな仲が良く、協力して行事に取り組んだ。休校は寂しいけど、人数が多い方が友達も増える。中学校で授業に付いていけるよう頑張りたい」と語った。

 約300人が暮らす喜瀬武原区の外間清志区長(72)は「学校から聞こえる子どもの声が常に生活の中にあった。休校となると寂しさがこみ上げる」と言葉を詰まらせ「子どもたちのため、地域で決断した。新たな環境で友達をたくさんつくってほしい」と願った。

 喜瀬武原小は1957年に児童96人で始まり、65年間で卒業生615人を送り出した。

 62年から2020年の中学校統合まで小中併設校で、ピークの63年には児童だけで131人が在籍した。

 (岩切美穂)