こどもの国にハチ新種 小学生調査隊発見、星型の繭 神戸大など発表、ホシガタハラボソコマユバチ


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新種のハチ「ホシガタハラボソコマユバチ」の雌の成虫(沖縄市立郷土博物館提供)

 【沖縄】沖縄市立郷土博物館は25日、沖縄こどもの国などで見つかったハチが新種と確認されたと発表した。大阪市立自然史博物館の藤江隼平外来研究員を中心とした、神戸大、九州大との共同研究チームによるもの。発見地の一つは沖縄こどもの国で、郷土博物館は幼虫が繭を形成する過程の撮影に成功し、生態の解明に貢献した。

 体長3~4ミリほどの小さなハチで、チームは「ホシガタハラボソコマユバチ」と命名した。寄生バチの一種で、スズメガ科の幼虫に寄生し、その体を食べて成長する。幼虫は、成熟するとスズメガの体から出て、糸を吐いて、コンペイトーのような星型の繭を形成する。星型の繭を作る虫は世界的にも少なく、国内では初発見だという。

ホシガタハラボソコマユバチが形成した星型の繭

 2019年3月に、小学生を中心とする、沖縄こどもの国のボランティア「いきもの調査隊」がその活動の一環で、「ホシガタ―」の繭を発見した。虫に詳しい沖縄市立郷土博物館の刀禰(とね)浩一学芸員が、繭の形成過程を記録。21年10月に詳しい生態などを国際専門誌に発表し、国際的に新種と認められた。

 「ホシガタ―」の繭は、これまでも沖縄本島や奄美大島で発見されたことはあったが、サンプル数が少なく、生態の解明には至っていなかった。刀禰学芸員は「沖縄には足元を調べるだけでまだまだ新しい発見がある。沖縄市の市街地で見つかり、大きな発見となった」と話した。繭の形成過程は以下のQRコードから、YouTubeで視聴可能。

 (石井恵理菜)

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