浦添市に賃貸借料支払い命令 NTTデータとの契約解除「成立しない」 那覇地裁


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那覇地方裁判所(資料写真)

 コンピューターシステムの開発などを行う「NTTデータ九州」が、浦添市に行政システムなどの契約に基づく賃貸借料の支払いを求めた訴訟の判決で、那覇地裁(福渡裕貴裁判長)は15日、市による契約解除は成立しないと判断し、未払い分の計約2億2400万円の支払いを命じた。

 浦添市は判決を不服として、25日の市議会3月定例会最終本会議に控訴する議案を提出。市議会は全会一致(退席6)で可決した。併せて訴訟費用214万円を含む総額852万円の2021年度補正予算案も全会一致で可決した。

 判決によると、市は行政システムに関して2008年10月から10年間、福祉システムに関しては10年10月から10年間の期間を定めて同社と契約を結んだ。その後、各システムに不具合が発生。市は16年6月、同年末での契約解除を通知した。同社は残り期間の料金を支払うよう求めたが、市側は「契約は解除によって終了している」と応じなかった。

 福渡裁判長は判決理由で、契約の表題は「賃貸借契約」になっているものの、システム開発や業務委託が目的になっており、実質的には請負契約か、業務委託契約に当たると判示。同社にシステムを修繕する義務は認められないとした。契約書に中途解約の定めがないことなどからも、契約は解除できず、支払い義務を免れないと結論付けた。