北部基幹病院の整備計画に意見112件 県立病院の存続求める声も 第3回協議会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
パブリックコメントの結果などが報告された北部医療センターの第3回整備協議会=25日、名護市のホテルゆがふいんおきなわ

 【名護】名護市の県立北部病院と北部地区医師会病院が統合し、2028年度開院予定の「公立沖縄北部医療センター(北部基幹病院)」の第3回整備協議会が25日、名護市のホテルゆがふいんおきなわで開かれた。協議会は、整備基本計画素案のパブリックコメント(意見公募)に112件が寄せられたことを明らかにした。

 意見の中には「なぜ県立病院を北部地域からなくさないといけないのか」「北部地域だけが医療分野において県から見捨てられる地域になる」など、県立病院の存続を求める声もあった。

 整備協議会はこうした意見に対し(1)北部医療圏に同規模の急性期病院が二つあることで医師や患者の分散し、経営が非効率(2)現在の県立北部病院は病床数が基準病床より多く、増床して基幹病院を整備することができない―などの課題を挙げ、「県と北部12市町村が設置する公的医療機関として、災害医療、感染症医療、離島・へき地医療、救急医療、小児医療、周産期医療など県立病院と同様の機能を担う」との対応方針を示した。

 北部医療センターに北部地区医師会病院の負債を引き継ぐことについては「北部医療センターの開院と同時に北部地区医師会病院は廃止される。基本的枠組みに関する合意で保有する資産と負債を北部医療センターへ引き継ぐことになっており、詳細は今後の整備協議会で協議し、内容が整理でき次第公表する」とした。

(松堂秀樹)