沖縄MaaSに6000人登録 スマホ一つで乗り継ぎ、観光や買い物…連携体が実証実験を報告


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 沖縄MaaS事業連携体(代表会社・沖縄都市モノレール)は25日、通信情報技術を活用して観光交通の利便性を高める「MaaS」(マース)の実証実験が本年度末で終了することを受け、実験結果の報告会を那覇市の沖縄都市モノレール本社で開いた。一時は新型コロナウイルスの感染拡大で苦戦を強いられたものの、各種プロモーションが奏功し当初目標の5千人を上回る約6千人の会員登録者を獲得できたと報告した。

 MaaSは、交通機関の乗り継ぎや観光施設への入場、商業施設での買い物などがスマートフォン一つで予約・決済できる次世代移動サービスで、同連携体は実用化に向け2020年から実証実験に取り組んできた。

 交通機関の利用料と観光施設の入場料などが一つになったセット券の全体に占める販売比率は、目標の10%を大きく上回る44・8%となり、交通機関と観光施設の利用を一体的に推進するMaaSのコンセプトが受け入れられたと評価した。

 一方、会員登録者から得るデータの利活用や管理画面の対応が課題とした。今後は、他社サービスとの連携拡充や、会員獲得に向けた施策を継続し、参画事業者への送客数が増やせるよう取り組みを強化する。実証実験は終了するが、4月以降もサービスは継続する。 沖縄都市モノレールの宮城広幸運輸部長は「若者の車離れが明確で、沖縄旅行の減少につながっている。次年度はいま一度、観光事業と交通機関の連携強化が必要だ」と述べた。

(当銘千絵)