金井喜久子の音楽、伸びやかに 26年に生誕120年 300人が演奏堪能


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金井喜久子作曲の「琉球カチャーシー」などを演奏するピアニストの高良仁美さん=27日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟

 沖縄県宮古島出身の音楽家・金井(かない)喜久子(旧姓川平、1906~86年)の功績を発信する「金井喜久子プロジェクト実行委員会」(鎌田佐多子実行委員長)は27日、設立記念コンサートを宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟で開催した。沖縄のメロディーを基に作曲されたバレエ音楽「龍神祭り」序曲や合唱曲「だんじゅかりゆし」などが披露され、約300人の来場者から惜しみない拍手が送られた。

 金井は、音楽の道を志して上京。女性作曲家として日本初の交響曲を書き、当時は珍しかった琉球の旋律を基調に、数々のクラシック作品を残した。晩年はひめゆり平和祈念資料館の建設にも尽力した。

 コンサートでは、県出身のピアニスト高良仁美さん、那覇少年少女合唱団が金井作品の伸びやかな精神を表情豊かに表現した。発起人の宮城さつきさんは、金井の自叙伝「ニライの歌」から書き起こした朗読劇を披露し、舞踏家の多嘉良カナさんの歌三線と共演した。

 同会では生誕120年の26年までの4年間をかけ、さまざまな企画を催す。鎌田実行委員長は「金井喜久子を知っていただき、生き方の糧につなげてほしい。沖縄音楽の母、金井を広めていきたい」とあいさつした。 (田中芳、写真も)