仲島、ミニマム級日本王座届かず ウェルター級平安山は堅実な試合運びで判定勝ち


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日本ミニマム級王座決定戦 3R、重岡銀次朗(右)に攻め込まれるもパンチで応酬する仲島辰郎=27日、豊見城市民体育館(ジャン松元撮影)

 プロボクシングの日本ミニマム級王座決定戦10回戦が27日、豊見城市民体育館で行われ、同級2位の仲島辰郎(平仲BS)が同級1位の重岡銀次朗(ワタナベ)と対戦し、0―3の判定で敗れた。仲島のタイトル挑戦は昨年6月に続いて2度目。悲願のタイトル獲得に届かなかった。戦績は15戦11勝(7KO)3敗1分となった。ウエルター級の平安山太樹(ボクシングクラブオキナワ)は山本ライアン・ジョシュア(ワタナベ)に判定勝ちした。

仲島、後半巻き返せず判定負け

 2度目のミニマム級タイトルに挑んだ仲島辰郎(平仲BS)だったが、ベルトに届かなかった。プロ戦績6戦6勝5KOの相手は試合巧者だった。右ジャブで一定の距離を保ち、好機に左の強打で仲島を攻めた。

 1、2回は様子見(ようすみ)状態が続き、軽めの攻撃を繰り出しながらタイミングを探り合った。「同等に戦えるという手応えはあった」と3回は、仲島がワンツーの強打を打ち込んだ。

 4回は攻められて左をもらう場面が増えた。5回終了時点で公表された採点は相手が有利だった。ここから巻き返しを図りたかったが「攻めた時にカウンターを合わせられた。攻めあぐねたのはこれからの課題」と振り返った。

 10回を最後まで戦い抜くスタミナがあり「大きなダメージとなる強打はもらわなかった」と防御の面で手応えもつかんでいた。

 試合後の「悔しいっすね」の一言に無念さをにじませたが、闘争心に一層火が付いた様子で「必ずチャンピオンになる」と明言した。経験を糧に再度頂点を目指し、ぶれない意志を貫く。
 (大城三太)

平安山、堅実試合運び 地元ファンの期待応え

ウエルター級6回戦 3R、山本ライアンジョシュア(左)に右フックを決める平安山太樹(ジャン松元撮影)

 ウエルター級全日本新人王の平安山太樹(ボクシングクラブオキナワ)が堅実な試合運びで勝利し、地元ファンの期待に応えた。フットワークで動き回る相手に対し、徐々にコーナーへ追い込み強打を繰り出した。

 会場には家族やファン、元職場の同僚らが応援に駆け付けた。「1、2回は緊張で動きが硬くなってしまった」とうまく立ち回る相手を捉えることができなかった。強打がさく裂したのは3回から。「圧を与えるといつも通りにできた」と間合いを詰めて猛攻を仕掛けた。

 6回の最終盤は相手と打ち合ったが、判定で退けた。「初めての6ラウンドでガス欠にならないよう気を付けた」と、スタミナと相談しながらペースを配分した。「後半は下半身と連動させたパンチが打てず、手打ちになってしまった」と課題も挙げた。
 (大城三太)