金武町長選は29日告示 コロナ対策は?PFAS問題にどう対応? 立候補予定者に聞く


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【左から】仲間一氏、山川宗仁氏

 【金武】任期満了に伴う金武町長選が29日に告示される。投開票は4月3日。現職で3期目を目指す仲間一氏(67)=無所属=と前町観光協会長で新人の山川宗仁氏(44)=無所属=が立候補を表明している。一騎打ちの公算が大きく、8年ぶりの選挙戦になる見通し。両氏に公約や争点などを聞いた。(聞き手・岩切美穂)


<仲間一氏>安全な水 経験基に実現

 ―出馬を決めた理由は。

 「コロナ禍やコロナ収束後の暮らしと経済対策、また子どもたちが健やかに成長できる未来のために全力を尽くす決意で出馬を決意した」

 ―主な公約は。

 「国道329号の渋滞緩和策の早期実現や役場の複合新庁舎建設。安心安全な水道水の供給。コミュニティーバスの本格運行や農林水産物の販路拡大に向けた中南部へのアンテナショップ設置。現状は中学3年対象の無料塾の全中学生への拡充。町民の基地雇用の拡大と、ギンバル訓練場跡地への企業誘致など」

 ―2期の手応えは。

 「18歳までの医療費と中学生までの給食費の無償化を実現した。認可保育所4カ所だったのを認定こども園10カ所に増やし、待機児童ゼロにした。小中学校の35人学級を町独自に教員採用して実施し学力向上につなげた。ギンバル訓練場跡地のKINサンライズビーチ整備なども進めた」

 ―水道水からの国の暫定指針値を超える有機フッ素化合物(PFAS)検出問題への対応は。

 「町民の健康を第一に、金武・並里地区の水道水を全量、県企業局水で供給するために送水管工事を進める。これまでの行政経験から、国との信頼関係で予算を前倒し確保できた。工事中は活性炭で浄化しつつ安全安心な水を供給する」

 ―争点は。

 「コロナ対策や子育て・教育、人材育成だ」

 ―コロナ対策は。

 「ワクチン接種をスピード感を持って進める。国や県の支援を事業所が適切に受けられるよう税理士らを派遣する」

 ―相手にない強みは。

 「青年会長、区長、教育長、町長としての行政執行の実績がある。有言実行で取り組んできた」

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 仲間 一氏(なかま・はじめ) 1955年1月15日生まれ。町金武出身。沖縄国際大中退。2007年から13年まで町教育長を務めた。14年の町長選で初当選し、18年は無投票で再選した。現在2期目。
 


<山川宗仁氏>町民中心の政治へ 刷新

 ―出馬を決めた理由は。

 「子育てと教育で選ばれる町を目指す。超高齢化社会へ向け、福祉で連携した社会システムや先端技術を取り入れた町づくりのために出馬する」

 ―主な公約は。

 「5歳までの保育料無償化と高校までの通学費支援、幼少期からの英語教育を推進する。ギンバル訓練場跡地を開発し、観光立町を目指す。(マレーシアの企業と土地賃借契約後)10年間動いていないホテル建設を実現する。新開地など繁華街の再生へ、景観づくりを含むイメージアップ戦略を進める。高齢者の働く場づくりを支援する」

 ―町政の課題は。

 「有機フッ素化合物(PFAS)汚染水問題で、町の説明責任に(町民から)不信感が生じた。町民への向き合い方が不十分だったのは大きい課題だ。分かった時点で説明すべきだ。町民中心の政治ではなかった」

 ―自身はPFASの問題にどう対応するか。

 「汚染源の原因特定や対策のほか、町民の健康調査について町独自で取り組めるものがあれば関係機関と調整する。町民に納得してもらえるよう、説明会を随時開く」

 ―争点は。

 「町民中心政治への移行。町民の声に寄り添い、役場職員との間に入って潤滑油になれるのは若い世代だ。情報化社会に対応する若い考えと行動力で金武町をつくる」

 ―コロナ対策は。

 「町の対策はうまくいっているが、さらに生活支援と経済活性化のため、町民1人1万円の給付金を交付したい」

 ―相手にない強みは。

 「社会福祉士であり、経営者。福祉と経営の両方の視点を持った若い候補者という点だ。声なき声を聞ける町政と、観光立町を実現する」

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 山川 宗仁氏(やまがわ・むねひと) 1977年4月1日生まれ。町金武出身。沖縄国際大卒。2000年から現在まで飲食店経営。町社交飲食業組合長、保育園長などを経て20~21年、町観光協会会長。