重点施策「子の貧困」42%、基地問題は4位後退22% 沖縄県民意識調査


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 沖縄県は28日、県振興推進委員会を開き、3年ぶりに実施した第11回県民意識調査の結果を公表した。今後、県が重点的に取り組むべき施策を複数回答で聞いた設問では、前回2018年度調査と同様に「子どもの貧困対策の推進」(42・1%)が最多だった。2番手は「自然環境保全・再生」(23・7%)で、前回の6位から急浮上した。3位は「魅力ある観光・リゾート地の形成」(23・1%)、前回2位の「米軍基地問題の解決促進」(22・3%)は4番手に後退した。

 玉城デニー知事が施策展開との連動で力を入れる「持続可能な開発目標(SDGs)」の認知度に関する質問項目を新設し、69・5%が「聞いたことがある」と回答した。

 同委員会は22年度に始まる新たな沖縄振興計画の最終案も審議した。新たな沖振計は、玉城知事が4月1日に発表する。

 県民意識調査は21年8~9月に県内400地点で満15歳以上満75歳未満の男女4千人を対象に郵送とインターネットで実施した。2736人から有効回答を得た。

 施策実施の要望が最も高い子どもの貧困対策を巡り、行政に求める施策では「子どもの居場所の設置」が41・6%と最多で、次いで「学習支援」が36・8%だった。

 沖縄への基地集中は差別かを問う設問では「そう思う」と「どちらかというとそう思う」が合わせて66・3%を占め、引き続き高い水準となっている。基地問題に関する行政への要望では「日米地位協定の改訂」を求める意見が最多で、「米軍人らの犯罪や事故をなくす」「基地を返還させる」と続いた。

 県企画調整課の担当者は「基地問題への回答は常に上位だが、前回から子どもの貧困の設問が追加され相対的に低くなっている」と説明した。

 調査は3~5年に1度実施しており、今回は18年度以来。本調査と同様の方法で人口50人以上の有人離島に居住する千人を対象にした離島調査も実施し730人から有効回答を得た。(梅田正覚)