陸自「電子作戦隊」が発足 与那国に23年度末配置


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陸上自衛隊那覇駐屯地に配備されている「ネットワーク電子戦システム」の車両=27日、那覇市

 陸上自衛隊の新たな部隊「電子作戦隊」が発足した。本部は朝霞駐屯地(東京都練馬区など)に置き、電磁波領域での対処能力強化のため、昨年以降、九州・沖縄を中心に全国の駐屯地に順次新設している電子戦の専門部隊を束ねる。

 28日、朝霞駐屯地で隊旗授与式があり中曽根康隆防衛政務官が訓示。「戦力を最大限発揮するため、相手の能力を効果的に阻害することが必要不可欠」と部隊の役割を強調した。隊長の門田宏光1等陸佐は記者会見し「従来の領域と組み合わせて相乗効果を発揮し、事態に的確に対応するため、新領域の能力強化が死活的に重要」と話した。

 防衛省は、中国やロシアの技術力の進歩を踏まえ、宇宙・サイバー・電磁波の3領域を安全保障の次世代の新たな柱と位置付ける。2023年度末には、国境沿いにある沖縄県の与那国と長崎県の対馬の両駐屯地に配置する方針。陸自の電子戦部隊は大幅に体制を強化することになる。

 陸自によると、電子作戦隊の発足は17日付。陸自の部隊運用を一元的に担う陸上総隊の傘下で、「ネットワーク電子戦システム」を運用する。

 作戦隊がまとめる部隊は奄美(鹿児島県奄美市)、那覇(那覇市)などの駐屯地と知念分屯地(沖縄県南城市)にある。朝霞にも本部とは別に部隊を設置した。
(共同通信)