沖縄近代史研究の礎に 我部政男氏に東恩納寛惇賞贈呈


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第39回東恩納寛惇賞贈呈式で琉球新報社の玻名城泰山社長(右)から賞状を受け取る我部政男氏 =29日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 沖縄を対象とした研究の発展に顕著な功績を挙げた研究者に贈る「第39回東恩納寛惇賞」(琉球新報社主催、第一書房後援)の贈呈式が29日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。日本近代史研究者の我部政男氏(83)=本部町=に琉球新報社の玻名城泰山社長が賞状と賞金、副賞を手渡した。

 我部氏の専門は日本史学(近代日本政治史)。沖縄史料の基盤づくりと沖縄近現代史の研究などが評価された。贈呈式で講演した我部氏は沖縄研究の史料を収集して整理・共有する大切さを説き「論文には寿命がある。しかし、史料は永久だ」と強調した。

 1939年、本部町生まれ。琉球大卒業後、東京教育大大学院博士課程修了。琉球大教授、山梨学院大教授などを経て現在は山梨学院大名誉教授、名桜大学客員研究員。 (古堅一樹)