政府、首里城の設計概要を発表 正殿の防火対策強化 「責任持って取り組む」


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 【東京】政府は29日、首里城の復元について話し合う関係閣僚会議幹事会(議長・栗生俊一官房副長官)を首相官邸で開き、今年秋の本体工事着手に向け、正殿の設計概要を発表した。栗生官房副長官は「首里城は沖縄の皆さんの誇りともいえる極めて重要な建造物だ。国営公園事業として責任を持って取り組んでいく」と強調した。

 20年3月の関係閣僚会議で示された「首里城正殿などの復元に向けた工程表」に沿って、正殿の構造形式を「木造重層3階建て」「入母屋造り」「本瓦葺き」とする方針を確認。建築面積が636.56平方メートル、3階の延べ面積が1199.24平方メートルになるとした。

 県が集めた寄付金約55億円の活用について、約24億円を正殿の復元に充て、残った約21億円を北殿、南殿などの復元に活用する方針も示した。

 正殿復元のポイントに「防火対策の強化」を挙げ、火災報知器と連動する監視カメラや誤作動防止機能付きのスプリンクラーを設置する。

 正殿の構造材にヒノキやイヌマキを使用するほか、彩色や彫刻に用いる塗装材にも「久志弁柄(べんがら)」など県産の材料を活用。復元事業を通して県内の伝統技術の活用や人材育成を実施するとした。
 (安里洋輔)