那覇軍港米軍訓練、沖縄県議会が抗議決議 きょう基地警備訓練実施


この記事を書いた人 Avatar photo 山城 祐樹
那覇軍港

 沖縄県議会は30日の2月定例会最終本会議で、在沖米海兵隊による那覇港湾施設(那覇軍港)での航空機の離着陸を伴う訓練に抗議する意見書・決議案を、与党の賛成多数で可決した。一方、在沖米軍は同日までに、那覇軍港で基地警備訓練を31日に実施すると沖縄防衛局などに通達した。抗議の声が高まる中で米軍は訓練強行する形で、県は30日、沖縄防衛局に影響の最小化などを求めて口頭で抗議した。 

 県や防衛局によると、31日に那覇軍港で訓練を実施するのは、同軍港所属の第835米陸軍輸送大隊。警察巡回車両、部隊輸送車両、小型輸送艦艇を使用し、航空機は使用しないとしている。訓練時間は午後4~同8時を予定し、在沖米軍は「過去にもルーティーン訓練として実施した実績がある」と主張した。県や防衛局は影響を最小限にするよう30日までに申し入れた。

 県議会本会議は中立会派の公明と無所属の会が退席。反対した自民は同港での訓練を認めた上で、事前調整などを求める対案を出していたが、会期中に一度議決した案件を再度審議しない「一事不再議」の原則に基づき、与党案の可決で採決されなかった。

 意見書・決議では那覇軍港の早期返還や基地の自由使用を認める日米地位協定の抜本改定などを求めている。意見書の宛先は首相や衆参両院議長などで、決議は駐日米大使、在日米軍司令官など。(大嶺雅俊、塚崎昇平)