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10代のママを支援 保育園への送迎や困りごと相談も 「一般社団法人ある」若年妊産婦事業を報告


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「一般社団法人ある」の活動内容を報告する棚原喜美枝代表理事=24日、那覇市の県総合福祉センター

 「一般社団法人ある」が実施する10代ママ支援事業の報告会が24日、那覇市の県総合福祉センターで開かれた。同法人は2021年度、独立行政法人福祉医療機構の助成を受け、若い母親たちの集う場「10代ママくらぶ」を運営するなど、若年妊産婦支援に取り組んできた。

 オンラインでも同時開催され、棚原喜美枝代表理事は同法人の取り組みを説明し「子どもの成長とともにママたちの成長も見られる」と語った。子どもの預かりや保育園への送迎支援などを行う託児ボランティア「ばあばくらぶ」を立ち上げ、支援者向けの養成講座を開くなど支援の幅を広げている。

 若年妊産婦支援事業の責任者を務めるキャリアコンサルタントの安里千恵子さんは、10代ママ支援事業の活動内容を報告した。毎月2回開催する「10代ママくらぶ」は当事者の参加を通し、子育て支援の受け皿となる支援体制を構築・拡充。テーマごとにグループワークを行い、当事者間の交流を図る。助産師による育児情報の提供や、参加者らの困りごとを相談援助へつないでいる。

 報告によると、那覇市や浦添市など県内9市町村の利用者へ支援を行っている。若年妊産婦への支援事業による効果について、安里さんは「妊娠期から新たな支援者との信頼関係を結び直すことで、長く続く子育て支援のいいスタートを切ることができる」と語った。

 妊娠した17歳女性への出産・産後の子育て支援に関する事例が報告され、九州大学教員で臨床心理士の野村れいかさんによる検証もあった。
 (吉田早希)