新県教育長・半嶺満氏インタビュー コロナ下の学び、教職員の働き方改革は?


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 3月まで県教育委員会の教育指導統括監を務め、4月に就任した半嶺満県教育長。新型コロナウイルスの感染流行に伴う学びの保障や、キャリア教育、教職員の働き方改革などに教育長としてどう取り組むか、話を聞いた。

新教育長としての抱負を述べる半嶺満教育長=3月24日、県庁

 ―新型コロナの影響で、今後も臨時休校などが実施される可能性がある。学びの保障にどう取り組むか。

 「4月から沖縄教育DX(デジタルトランスフォーメーション)推進プロジェクトチームを立ち上げる。県立学校教育課や義務教育課などに人員を配置し、ICT(情報通信技術)を活用した学習環境の推進を図る。より効率的な学習方法などを研究し、学校現場の支援に努めたい。子どもたちは1人1台端末を必需品として使用し、プログラミングスキルや情報発信力などの情報活用能力を身につけさせたい」

 ―県内中高生の進路未決定率は全国と比べ高い。改善策はあるか。

 「2020年の県キャリア教育の基本方針により、キャリア教育のさらなる推進を図る。強化を通した(1)関わる力(2)振り返る力(3)やり抜く力(4)見通す力の育成、体験活動などの充実、キャリア・パスポートの活用を図りたい」

 ―21年度は新型コロナウイルスの影響で学校PCRが実施されるなど、現場の仕事量が増えた。働き方改革はどう進めるか。

 「毎年、業務の効率化に関するアンケートを実施している。現場で働く教員の声を聞き、実効性のある改革を進めたい。教員は日々の授業準備、部活動の指導など多くの業務を抱えている。具体的な策として、本庁への提出書類の削減、会議等の効率化、スクールサポートスタッフ配置支援、外部指導者の活用などを考えている」

 「子ども一人一人に目を向け、声を掛け、成長を促していくことが学校教育では重要だ。余裕を持って子どもたちと接する時間を確保するためにも、現場に足を運び、働き方に関する悩みなどを聞き取りして庁内で共有したい」

 ―21年度は部活動での生徒の指導死もあった。部活動の在り方について取り組むことはあるか。

 「絶対に繰り返してはならないと固く決意している。12月に部活動の在り方に関する方針を策定したが、どれだけ現場に浸透するかが課題と考えている。各学校が危機感を持つことが大事だ。実効性のある取り組みとして、学校職員による研修の場をつくりたい」

 「年度はじめや、学期ごとに全職員が部活動の活動報告などを通して、生徒への適切な指導ができているかを確認できる場が必要だ。また、指導者の人権意識を高める取り組みにも力を入れたい」
 (聞き手・名嘉一心)