新たな沖縄振興計画、5月めどに決定 改正沖振法の施行受け玉城知事


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新たな沖縄振興計画の最終案を発表する玉城デニー知事=1日午後、沖縄県庁

 改正沖縄振興特別措置法が1日から施行されたことを受け、沖縄県の玉城デニー知事は1日午後記者会見を開き、新たな沖縄振興計画の最終案を発表した。第6次計画となる新振計の名称は「新沖縄21世紀ビジョン基本計画」とし、5つの将来像の実現と、4つの固有課題解決に向けた施策展開を打ち出した。記者会見で玉城知事は、SDGs(持続可能な開発目標)を取り入れる方針を述べ「社会、経済、環境の3つの側面が調和した、持続可能な沖縄の発展、誰一人取り残さない社会を目指す」と述べた。

 沖縄県は今後、国が策定する沖縄振興基本方針を踏まえ、新振計を5月をめどに正式決定し、岸田文雄首相に提出する。玉城知事は現行の第5次計画までの振興策について「アジアのダイナミズムを取り込んでいくこと、通信関連産業、観光関連産業を充実させることで着実に沖縄のポテンシャルは向上できることも実感できている」と強調。新型コロナウイルスによって、県経済が大きな影響を受けていることを踏まえ、短期的な経済回復と、「ポストコロナ」を見据えた施策展開が必要だと訴えた。

 新計画は、施策展開による「計画展望値」として、一人当たり県民所得は、全国最下位を脱出する水準の291万円(20年度実績214万円)、県全体の人口は微増の148万6千人(20年実績146万7千人)と設定した。

 新たに展望値として設けた離島人口は現在と同程度の12万5千人(同12万5千人)、総需要をどれだけ県内総生産で賄えたかを指す域内自給率は73.4%(同71.5%)、温室効果ガス排出量は34%削減とした。そのほか、労働力人口が78万人(20年度実績75万2千人)、就業者数が7万1千人(同72万5千人)、完全失業率が2.5%(同3.6%)と設定した。