本年度の予算修正案を可決 サトウキビ支援事業費は3度目の削除 宮古島市議会


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キビ支援事業予算を削除した一般会計予算修正案に賛成の挙手をする野党議員ら=3月25日、宮古島市議会

 【宮古島】宮古島市議会(上地廣敏議長)は3月25日の3月定例会最終本会議で座喜味一幸市長が提案したサトウキビ農家支援事業費を削除した2022年度一般会計予算修正案(総額約376億7千万円)を可決した。中立の議員1人が退席し、修正案を提案した野党(11人)と与党(11人)が賛否同数となり、上地議長裁決で可決した。

 座喜味市長提案のキビ農家支援事業は「サトウキビ収穫管理支援事業」の名目でキビ1トン当たり500円を支給する。22年度当初予算案では関連予算を含み1億7500万円が計上されていた。座喜味市長肝入りの政策だが、野党の反対により2021年度当初予算、同年度補正予算に続いて3度目の削除となった。

 24日の予算決算委員会では当初案からキビ事業を削除した修正案が賛成多数で可決されていた。25日の本会議では、予算決算委員会で可決された修正案と与党による農薬などの補助率を30%に統一する修正案、さらにキビ支援事業削除と与党提案の農薬補助率30%を飲み込んだ形の野党による修正案が出され、計三つの予算案を採決する異常事態となった。

 長引く審議に市当局は「年度末で多忙のため」として議長に許可を得た上で市長と総務部長、企画部長、教育長以外は退席した。議会後、座喜味市長は「キビ事業は大きな効果がある事業だ。原案可決へ再議も検討する」と話した。

(佐野真慈)