伊平屋村が前村長を提訴、損害賠償求める 補助金返還「義務怠ったのが原因」


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伊平屋村役場(資料写真)

 【伊平屋】伊平屋村田名漁港の整備事業の工期遅れで村が補助金8680万円を県や国に返還したのは、前村長の伊礼幸雄氏(74)が必要な指示を出すなどの義務を怠ったことが原因だとして、村は1日、伊礼氏に返還同額の損害賠償などを求める訴状を那覇地裁に3月29日付で提出したと発表した。

 村民有志が昨年5月、伊礼氏に損害賠償を請求するよう村側に求め住民訴訟を起こしたが12月に取り下げていた。

 村は今年1月7日、伊礼氏に損害金の賠償請求を通告したが、伊礼氏は2月1日、応じないと文書で回答した。

 提訴を受け、伊礼氏は取材に対し「職員が起こしたことを重く受け止め、村議会に村長給料の減額を2回提案したが否決された」とした上で「職員がしたことについて、これほど膨大な金額を私個人に弁償しろというのはあり得ない話だ」と述べ、争う考えを示した。

 伊平屋村議会は2月22日の臨時議会で伊礼氏に8680万円の損害賠償を求めて提訴する議案を全会一致で可決していた。議会承認を受けた名嘉律夫村長は「裁判で前村長の責任を明らかにしていきたい」としている。

(松堂秀樹)