基地問題や離島の地理的不利を解決へ 「固有課題」4点を例示 新沖縄21世紀ビジョン


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 「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」は、沖縄には歴史的、地理的、自然的、社会的な特殊事情から派生する「固有課題」があるとして、基地問題や離島の不利性など克服すべき4点の課題を例示。それぞれの課題解決に向けた施策の方向性を打ち出している。

 基地問題の解決については、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告や統合計画など、日米合意の確実な実施によって、基地の整理縮小、米軍の削減を求めた。

 一方、米軍普天間飛行場に関しては「改めて県外・国外移設を追求し、同飛行場の速やかな運用停止および固定化を避ける方策を検討する必要がある」とした。名護市辺野古移設によらない解決策を検討する必要性を打ち出した形だ。

 駐留軍用地跡地利用に関して、返還前の土地の先行取得、廃棄物が発見された場合に、国の責任による支障除去措置を求める方針を改めて打ち出した。那覇軍港や牧港補給地区など大規模な基地返還に向けて、返還前の早い段階から駐留軍用地の立ち入りによる文化財調査、自然環境調査を実施して、跡地利用計画を策定することも掲げた。

 離島の条件不利性の克服に向けて、ICTの活用、デジタルによる変革を促す「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の推進によって遠隔教育、遠隔診療などの先端技術を導入し、振興策の積極的な展開を進めるとした。

 交通ネットワークの構築について、鉄軌道を含む新たな公共交通システムの構築、本島南北軸と東西をつなぐ「ハシゴ道路ネットワーク」など体系的な幹線道路網の構築を掲げた。

(池田哲平)