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あなたの職場はさせていますか?「リスキリング」 変化見据えた新スキル習得<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 コロナ禍により、社会には多くの変化がありました。働き方もその一つです。企業によるテレワーク導入や、DX推進が加速しました。その中で、業務を行う上で新たなタイプの人材が必要になった企業や、新たなスキルが必要になったという従業員の方もいらっしゃるかと思われます。

 「リスキリング」という言葉をご存じでしょうか。経済産業省は「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義しており、特に今後必要性が高まるであろうDX人材の確保の場面で多く用いられています。

 これまでのOJTやリカレント教育との大きな違いは従業員が「今は社内にない(やる人がいない)」業務を習得する点にあります。また、定義内で「する/させる」という表現がなされているように、従業員個人が社内での新たな業務対応や転職のために主体的にリスキリングを行うケースと、企業が従業員に新たな業務を任せるためにリスキリングをさせるケースがあります。

 しかし、日本ではリスキリングをさせている企業は少ないのが現状です。人材サービス業のビズリーチが企業向けに行ったアンケートでは、従業員にリスキリングをさせている企業は全体の2割未満です。今後はDX化をはじめとする企業主導のリスキリングの進展に期待すると同時に、個々の従業員が自身の今後のキャリアと社会の変化を見据え、新たなスキル獲得のためのリスキリングを主体的に進めることにも期待したいです。

(おきぎん経済研究所研究員 小嶺貴史)