キングスが9連勝 並里が躍動、7アシスト 「ボールムーブメント」随所で光る 第43戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
琉球―滋賀 第1Q、ドリブルで切り込んでシュートを放つ琉球の並里成=3日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 個人プレーに頼りすぎず、全員でボールを回して得点する。リーグの頂点を争うチャンピオンシップを見据え、キングスの桶谷大HCが理想とする「ボールムーブメント」が随所で光った。最もそれを体現し、この試合のMVPに選ばれた並里成は「全員で気持ちよくプレーすることが今年のポイント」と強調する。

 第2Q、ボールを運ぶコー・フリッピンからインサイドでパスを受けた並里は、切り込むと見せかけてすぐさま3ポイントライン際にいた今村佳太に中継。ボールを受けた今村が3点弾を沈めた。並里はチーム最多の7アシスト。滋賀の猛攻で流れが悪くなった第3Qには、スチールを決めてチームをもり立てた。桶谷HCは「いい仕事をしてくれた」とたたえた。

 一方で不用意なターンオーバーを重ねたり、ゴール下の簡単なシュートを外したりと課題も見えた。滋賀の外国籍選手の個人技に押し込まれる時間帯もあった。桶谷HCは試合後に「勝ちはしたが締まりの悪いゲームだった」と反省を口にした。指揮官はチームを「成長段階にある」と表現する。悲願のリーグ制覇に向けて、どこまで成長できるかが注目される。
 (金良孝矢)


 プロバスケットボールBリーグ1部西地区1位の琉球ゴールデンキングスは3日、沖縄市の沖縄アリーナで同10位の滋賀レイクスターズと今季第43戦を行い、94―78で勝利した。同日は琉球新報社の冠試合として行われた。地区優勝へのマジックナンバーが「10」となった。第1クオーター(Q)は滋賀に攻め込まれ一時リードを許すも、岸本隆一や特別指定選手の松本礼太の3点シュートなどで流れをつかんだ。第3Qは滋賀の猛攻を受けたが、並里成の体を張ったプレーなどで再び流れを取り戻した。キングスは9連勝で通算成績は39勝4敗。首位を維持した。次節は6日、同会場で三遠ネオフェニックスと戦う。

キングス 39勝4敗
94―78(21―17,23―13,27―24,23―24)
滋  賀 10勝33敗

 【評】キングスはリズムに乗れず苦しんだが、大崩れせずに勝ちきった。試合序盤は滋賀にリードを許すも、大事な場面で3点シュートを決めて逆転した。チームでパスを回して得点につなげる戦術を重視。ミスが出たほかリバウンドを奪われたが、滋賀の隙を逃さずに得点を重ねた。

◆成長を追求したい

 桶谷大HC(キングス)の話 ボールを回し過ぎてしまった。要所でターンオーバーを許し、オフェンスリバウンドを取られるなど、乗れそうで乗れないバスケをしてしまった。細かいミスが出たが、チームはまだ成長段階なので成長を追求したい。

◆レベル上げてできた

 ルイス・ギルHC(滋賀)の話 ゲームに必要なフィジカルレベルまで引き上げてプレーできた。3ポイントシュートが決まればもう少し競い合えたと思う。故障者が出て十分にローテーションができないこともあり(メンバーの)疲労感も否めなかった。