【東京】在日米海軍兵士からレイプ被害を受けたオーストラリア人女性のキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんを招いた院内集会が5日、都内の衆議院第二議員会館であった。集会でジェーンさんは、日米地位協定の改定を求め、特に地位協定16条に規定する「日本法令の尊重」を「尊重ではなく、順守に改定して」と訴えた。外務省には岸田文雄総理あてに手紙を託した。
2002年4月6日にジェーンさんが神奈川県横須賀市で被害を受けて今年で20年になった。集会でははじめに防衛、外務両省の担当者が米軍人らによる2016~20年度までの事件・事故件数が2285件、賠償金額は4億6612万3千円に上っていることを説明した。
地位協定16条についてジェーンさんは「尊重という言葉自体を米兵が知らない。順守なら米兵も分かる。地位協定を改定し日本法を順守させないといけない」と訴えた。
ジェーンさんは、この20年、日本で民事訴訟や国家賠償訴訟を提起し、米国内でも訴訟を起こし勝訴した。自らが率先して行動し、被害者を出さないための人権救済の取り組みをしてきた。しかし「最後の地位協定の改定は実現していない」と振り返った。
(斎藤学)