うえじょう晶さんに「壺井賞」 詩集「ハンタ(崖)」で


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壺井繁治賞に選ばれた詩集「ハンタ(崖)」について語るうえじょう晶さん=4日、那覇市の琉球新報社

 第50回壺井繁治賞(詩人会議主催)にこのほど、うえじょう晶さん(70)=西原町=の詩集『ハンタ(崖)』(あすら舎)が選ばれた。うえじょうさんは「評価をいただけたことが励みになる。今後も気張らず楽しんで書きたい」と語った。選評などは「詩人会議」6月号で発表される。

 同賞は「民主的詩の運動に貢献すること」を目的に年1回、詩集を顕彰する。詩人会議の会員、会友の推薦により選考される。

 詩集『ハンタ(崖)』はうえじょうさんがこの7年間に書いた詩をまとめた。沖縄の風土や歴史、沖縄戦や基地問題などの社会的課題にも取り組んだ。

 「詩にいったん区切りを付けようと思って詩集をまとめた」と語るうえじょうさん。「ハンタという場を縦軸に、沖縄の歴史を横軸にした」という。29歳で亡くなった息子のDAM(上門悠)さんが残した絵を表紙にした。「2人で作り上げた感覚がある。時空を超えてコラボレーションできてよかった」と語る。

 うえじょうさんは1951年那覇市生まれ。99年に琉球新報児童文学賞(短編児童小説部門)を受賞。詩では2005年におきなわ文学賞詩部門佳作、14年詩人会議新人賞佳作。詩人会議、沖縄詩人会議「縄」、「いのちの籠」会員。詩集に『カモメの飛び交う町で』(2001年)など。