「非行は自分らしさを見つけるプロセス」 正面から向き合って 「さんぽの会」が座談会 那覇


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さんぽの会世話人の金城正典さん(右)と児童家庭支援センターなごみに勤務する心理士の池宮将貴さん=3月26日午後、那覇市の県総合福祉センター

 おきなわ「非行」と向き合う親たちの会(通称・さんぽの会)は3月26日、座談会「子どもの立ち直りを支えるために~悩む親に寄り添って」を那覇市の県総合福祉センターで開いた。

 心理専門職として少年鑑別所などで長年勤務した同会世話人の金城正典さん、元警察官で現在は児童家庭支援センターなごみに勤務する心理士の池宮将貴さんが自身の経験などを紹介した。子どもの非行を経験した親も参加し、子どもと向き合う中で自身が感じたことや子どもの変化などについて語った。

 金城さんは、少年鑑別所への入所を繰り返していた少年が「親には自分を見捨てず向き合ってほしい」と話していたことを振り返った。「子どもは見捨てたり、目を背けたりしたくなるようなことをするが、本心ではそういう気持ちなんだと思う。諦めず粘り強くつながっていることが大事だ」と強調した。

 また「非行は子どもが自分らしさを見つけるプロセスでもある。子どもたちはそれぞれに認められたかったり、一人前になりたかったり、居場所が欲しかったりする。そうした点に目を向けることも大切だ」と述べた。 池宮さんは警察官時代から非行に走る子どもやその親と関わってきた。非行をやめさせようと頭ごなしに注意するのをやめ、正面から向き合って話を聞くようにすると、態度が変わっていったという。「どの子も自由な意思を持って生活している。誰も子どもたちを縛って言いなりにはさせられないと気付いた」と、子どもを尊重することの大切さを説明した。そして「親は非行を自分のせいだと思い、警察や学校に相談するのも怖い気持ちがある。支援者はそうした心情を理解することも必要だと感じた」と語った。

 同会は子どもの非行に悩む親が集まる例会を月に1回開催している。次回は23日午後1時30分から県総合福祉センターで。問い合わせは同会世話人代表の井形陽子さん(電話)070(5403)1930またはメールokisanpo615@gmail.com

(嶋岡すみれ)