きょう「島ヤサイの日」 伝統野菜食べて元気に ゴーヤー・ウンチェーバー・ハンダマ… JA、消費拡大へ魅力発信


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 山城 祐樹
「ゴーヤーはつくだ煮や天ぷらにしてもおいしい」とPRする玉城勝広さん(左)と力さん親子=7日、糸満市大度

 4月8日は語呂合わせで「島ヤサイの日」。沖縄で昔から親しまれている伝統野菜の生産と消費拡大を目的に、JAおきなわが2015年に制定し、今年で8年目となる。生産農家は「地のものは新鮮で味が濃い。定番料理だけでなく、さまざまな料理にアレンジして食べてほしい」とPRする。

 ゴーヤー、ウンチェーバー、ハンダマにノビル―。島野菜の種類は多岐にわたる。JAおきなわが指定する品目は28種に及ぶ。

 中でも、特に生産・消費が盛んな主要品目がゴーヤーと島ラッキョウだ。JAおきなわによると、県内のファーマーズマーケットにおけるゴーヤーの年間売上高は1億7千万~2億円で推移。20年度と21年度は、新型コロナの影響で飲食店が閉まったり観光客数が減ったりしたため1億6千万円台と伸び悩んだものの、通年で安定した売り上げを確保している。島ラッキョウも県外への出荷量が年々増えるなど需要は拡大傾向にあり、年間5千万円程度を売り上げる。

 糸満市大度でゴーヤーを栽培する玉城勝広さん(68)、力さん(33)親子は、減農薬で安心安全な野菜作りを心掛けている。勝広さんは「ゴーヤーは沖縄の気候や風土に合っているからこそ、食べられ続けている。栄養価もばっちりだ」と胸を張る。糸満市の野菜農家、久保田専さん(43)は「島ラッキョウは今や居酒屋の定番メニュー。塩漬けや天ぷら以外にもいろんなアレンジができる。ぜひ家庭でも積極的に取り入れてほしい」と語る。

 JAの担当者は、島野菜の魅力が徐々に浸透してきてはいるものの、品目によって認知度や消費量に差があると指摘。沖縄島野菜に指定されても利益が出ないため、一部品目については生産をやめる農家も少なくないという。その上で「まずは調理法を紹介していくなど、食べ方が分からないという根本的な課題を解決することで消費拡大につなげたい」と述べた。 (当銘千絵、写真も)