FC琉球が連敗脱出、土壇場の同点弾 岡山と3-3 守備には課題も 


社会
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 サッカー明治安田J2第9節第1日の9日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでファジアーノ岡山と対戦し3―3で引き分けた。ホーム初勝利はお預けとなった。前半は上里一将の直接フリーキックで先制し、中野克哉が追加点を挙げたが、終盤に1点を返された。後半2点を奪われ逆転を許したが、試合終了間際に池田廉のゴールで追い付いた。通算成績は1勝6敗2分け。勝ち点5で21位。岡山は県出身の徳元悠平が左サイドバックでフル出場した。次戦は16日、同スタジアムでザスパクサツ群馬と対戦する。

(1)タピスタ
琉球 1勝2分け6敗(5)
3―3(2―1,1―2)
岡山 3勝4分け2敗(13)
▽得点者 【琉】 上里(1)中野(3)池田(1)【岡】 白井(1)ムーク(2)デューク(1)
▽観客 1551人

 【評】前半に2点を奪う理想的な展開だったが、終盤に失点。後半はいずれもセットプレーから2失点と一時逆転を許した。終了間際に同点に追いついたが、シーズンを通して大きな弱点となり得るセットプレー対応の脆弱(ぜいじゃく)さが浮き彫りとなった。


セットプレーからの失点目立つ
 

琉球―岡山 後半、土壇場で同点に追い付くヘディングシュートを決めたFC琉球の池田廉(右端)=9日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(ジャン松元撮影)

 FC琉球は最終盤で同点に追いつき引き分けで連敗を脱した。しかし、守備の課題は残されたまま。特にセットプレーからの失点が目立ち、チーム全員の守備への意識が今後の勝敗に直結しそうだ。

 前半に2点目をアシストした清武功暉は「良かったのはこれだけ」と表情は硬かった。セットプレーでマークの甘さがあった自らのプレーも顧み「もったいない試合」と声を落とした。元琉球の徳元悠平は前半0―2の劣勢でも「(琉球が敗れた)ベルディ戦が頭にあり、2点ビハインドも大丈夫と思っていた」と守備の隙を見通していた。

 各選手とも勝利への意識は高く、ボールへの執着を前面に泥くさくプレーした。これまでにないほどボールへタックルで迫り、がむしゃらに走る姿があった。先制点は上里一将が直接フリーキックで決めた。苦境にあるチームを精神面でも鼓舞する大きな1点だった。

 中野克哉は「勝ちきれない、逆転されてしまうのがチームの現状」と冷静に受け止める。「みんな走っているし、手を緩めている選手がいる訳ではない。実際に点は取れている。やりたいことを統一し、小さいことから徹底していくしかない」と前を向いた。

(大城三太)


守備の強度が落ちた

 喜名哲裕監督(琉球)の話 勝ち点3を逃したとの思いが強いが、勝ち点1をポジティブに捉えたい。前半はクロスへの対応ができていたが疲弊した時に守備の強度が落ちた。(前半の)最後の5分間やセットプレーで、もったいない失点が続いており修正していきたい。
 

選手を誇りに思う

 木山隆之監督(岡山)の話 2点ビハインドでやり方を変えて、3―2までいったが逃げ切れなかった。悔しいが納得している。選手を誇りに思う。