昨年渡名喜の米軍コンテナ落下 原因は運用ミスか きょう普天間返還合意26年


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米軍が本紙に公開した事故の概要を記した文書。一部の記述が黒塗りになっている。

 昨年7月13日、米海兵隊のCH53E大型輸送ヘリがつり下げて輸送していた大型コンテナを沖縄県の渡名喜島沖に落下させた事故で、機体フックに開いた形跡がなかったことが分かった。11日までに米側から沖縄県などに事故原因は明らかにされていないが、コンテナと機体の接続ミスや過重積載の可能性がある。

 本紙が11日までに在沖米海兵隊から米国の情報公開制度で入手した報告書に事故概要の記載があった。事故機が配備されていた米軍普天間飛行場は、日米間で返還に合意してから12日で26年になる。同飛行場と運用の危険性が改めて浮き彫りになった。

 ヘリは渡名喜島沖にある出砂島射爆撃場から、読谷村のトリイ通信施設へコンテナをつり下げて輸送していた。本紙が入手した報告書によると、機体が普天間飛行場に戻った後の検査で、フックが適切に閉じられ、破損や破片なども確認されなかった。

 機体データを検査した結果として「there was no indication that the single point external hooks opened after the initial hook up of the TriCon(最初にコンテナをつり下げた時から、フックが開いた表示はなかった)」との記述もある。島を離れた直後に乗組員が機体からつり下げ物資が落下したことを感知したが、操縦席に「フックオープン」のランプ点灯はなかった。

 公開された報告書から、事故原因に関する確定的な記載は確認できなかった。在沖米海兵隊は事故当初、原因について県に「検証中」と説明しており、11日までに米側から県に事故原因の説明はないままだ。本紙は11日、在沖米海兵隊にコンテナ落下事故の原因を改めて問い合わせたが、回答は得られなかった。(塚崎昇平)