接種回数、増えるほど入院減に 高齢者への必要性を示唆 県疫学解析委


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 沖縄県疫学統計・解析委員会は12日、新型コロナウイルスの感染者はワクチン接種回数が増えるほど入院受療率が低下する傾向があると発表した。80代以上では3回接種しても約3割が入院を要するが、未接種や1回接種では約6割近くが入院しているという。同委員会は「高齢者にとっては危険な感染症であり、ワクチン接種の必要性が示唆される」とコメントした。

 1月1日から3月31日に診断が確定した感染者7万2965人を基に、同委員会が分析した。接種後2週間以内の診断は回数に含めていない。

 80代以上の入院受療率は未接種・1回接種が60.4%、2回接種が39.8%、3回接種が29.9%で、不明が39.3%だった。接種回数が多いほど入院受療率が下がる傾向は50~70代でも同様となっている。

 80歳以上の致死率と接種回数の関係では、未接種・1回目が3.8%、2回接種が2.3%だった。3回接種した人では全年代で死亡例はないという。

 先週(4~10日)の感染者8546人を基にした実効再生産数は、本島が1.14、宮古が1.23、八重山が1.62で、全県的に感染が拡大しているという。今週(11~17日)の新規感染者の見通しは1万~1万3500人で、今週末には入院患者が300~350人に至るとした。
 (嘉陽拓也)