沖縄県内でモータースポーツの裾野を広げようと、アマチュアのレーシングドライバーの上原政人(38)が奮闘している。昨年6月にクラブ「ハウスカレーシング」を設立し、自ら県外や国外のレースに挑戦する。多くの人に競技を楽しんでもらうことを目指し「日常と(競技の)非日常をつなぐ」と意気込んでいる。(金良孝矢)
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/002/202204/14b9fb042da1b3cedc3cfac079e7fdec.jpg)
普段は沖縄市のモータースポーツマルチフィールド沖縄でスタッフとして働く。週末に体験走行会を開いたり、自身の経験を基に国内外のレース参加を支援したりしている。モータースポーツはアマチュアでも活躍できるチャンスがあり、大人から競技を始める人も多いとされる。
チーム名は競技が盛んなフィンランドの言葉で「楽しい」を意味し「気軽に楽しく」をモットーとする。沖縄は本格的なサーキット場がなく「始め方が分からない」「一度でいいからレースに出てみたい」などの相談があるという。上原は「始めることが難しく、その手助けをしたい」と語る。体験走行会の参加者が県外のレースに挑戦した事例も出てきた。
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/002/202204/2d69d9672cfe8944000946660770de25.jpg)
那覇市出身で中学生の時、海外のF1レースをテレビで見て夢中になった。車を運転するようになると「どうやったら(F1のように)運転できるんだろう」と挑戦したい気持ちが芽生えた。2005年、三重県の鈴鹿サーキットのレース選考会に参加した。マシン走行は初めてで「あまりの遅さに心配された」が、情熱は高まった。帰沖後はレーシングカートで腕を磨き、県外やタイでレーシング教室を受講して学びを深めた。
県外のチームに打診して、12年に耐久レース初出場を果たした。苦手だった英語の勉強を続け、13年にフィリピンのスプリントレースに参加したり、15年にカナダでマシンのメカニックコースを7カ月受講したりした。憧れの欧州のレースで、地元チームに掛け合って車両を借りて参戦した。「工夫すれば世界でレースができる」と実感する。クラブは秋ごろ、欧米でのレース参加も目指すという。
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/002/202204/d13959ac0290c1550aeee0ad59af6d75.jpg)
競技について「非日常を求め、自分で操作する気持ちよさや、世界各地での出会いが魅力」と語る。魅力をさらに多くの人に知ってもらうため、これからも走り続ける。