SOLA労組、「学園正常化」求め署名へ 学生・保護者に説明会 授業減に不安の声も


社会
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全日本建設交運一般労働組合SOLA学園支部の説明会に参加する学生や保護者ら=16日、浦添市仲間の浦添市社会福祉センター

 学校法人SOLA学園(宜野湾市、野村美崎理事長)の教職員らが3月に結成した全日本建設交運一般労働組合SOLA学園支部は16日、学生と保護者向けの説明会を浦添市社会福祉センターで開いた。教職員が学校側から不当な業務命令や解雇を受けているとして、現場の状況や今後の対応について報告した。学生や保護者からは学校側への不信感や教育機能を不安視する声が上がった。

 同労組によると、2021~22年3月末に教員40人近くが退職した。学校側の要求を断った教員が雇い止めになった事例もある。ある教員は5人で担当していた実技の授業を1人で持つよう命じられた一方、給料減額を言い渡されたという。教員は「昨年同様の仕事と給料を求めたので、今月は給料が振り込まれるか分からない」と話した。

 同労組は今後、SOLA学園の正常化を求める請願書の署名を集め、県に提出する予定。

 教育活動にも支障が出ている。学生によると、13日から22年度の授業を開始したが、配布された時間割には17日時点で組み込まれていない授業も多い。ある学生は「通常は3コマの授業があるはずの日も2コマだけの日もあれば、授業がない日もある」と話している。

 柔道整復学科3年の学生は「信頼していた先生がごっそりいなくなった。引き継ぎもされておらず授業のクオリティーが最悪だ。国家資格を取得できるのか毎日不安でしかない」と話した。

 学生が納める学費の用途にも不信感が募っている。柔道整復学科3年の学生に届いた22年度の学費等納入の通知書に記された請求額は約153万円。しかし学校案内には2、3年次の学費等納入金は138万円と記載がある。増額分の説明がないため、学生は「何に使われているのか分からない。授業で使う模型はぼろぼろで、最近では校内も自分たちで掃除しないといけない」と話した。

 説明会に参加した3年生の娘を持つ親は「徐々に状況が悪化していくのが分かって心配だ。国家試験を受ける大事な1年でこんなにぐらついて大丈夫なのか」と話した。

 学校側は17日、学生と保護者向けに非公開の説明会を校内で開いた。参加者によると理事長や副校長、弁護士などが参加し、質疑応答の時間などを設けた。参加した学生は「学費や授業に関して納得いく回答はなかった」と話した。 (中村優希)