子育てや福祉、どう対応? 貧困問題の対応充実訴え<沖縄市長選・立候補者の政策比較>中


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 24日投開票の沖縄市長選では、新人で前市議の森山政和氏(73)と現職の桑江朝千夫氏(66)がともに貧困問題への対応の充実を訴えている。市の2020年度の非課税世帯の対象者は4万2423人で、人口の約3割を占める。所得の底上げや経済格差の解消は喫緊の課題だ。

 森山氏は「人への投資」による所得向上を掲げる。小中学校の給食費や18歳までの医療費の無料化、学習支援員や特別支援員の倍増などを通じ、教育の質向上による所得アップを目標とする。また無料のスクールバス網を整備して通学困難区域を解消するとしている。市内にある空き家を活用し、学童クラブや子ども食堂、自治会のサークル活動などを活性化する計画だ。

 桑江氏は「子どもの貧困対策強化」を掲げる。18歳までの医療費無料化や子どもの居場所づくりの拡充などを挙げる。子育て支援、就労支援、託児などが一体となった「まちなか子育て交流センター」の整備を計画する。若年層やひとり親の資格取得支援などキャリア支援による所得向上も図る。「沖縄こどもの国」の市内の子どもたちの入場料無料化も公約している。

 高齢者の生活支援、障がい者の就労支援や社会参加、インクルーシブ(誰も排除されない)な社会づくりなどでも独自の施策を発表している。

 森山氏は「循環バスの児童生徒・高齢者・障がい者の無償化」も政策に挙げている。障がい者の自立や社会参加を「地域で支える切れ目のない支援体制」を掲げる。森山陣営は今選挙で市民アンケートを実施。最多票を集めた性的少数者のカップルを公的に証明する「パートナーシップ登録制度」の導入を公約に加えた。

 桑江氏は複合的な課題やニーズに対応する「重層的支援体制」の整備を進めると説明する。自身が導入した高齢者の肺炎球菌ワクチン・インフルエンザワクチン接種の全額補助のニーズが高いとして継続を公約。介護人材の育成も支援するとした。障がい者の就労支援強化や障がい者スポーツの普及などに取り組むと説明する。

(’22沖縄市長選取材班)