基地問題「抜本的改善」要求 衆院沖北委が復帰50年決議、可決 全会一致ならず、本会議へ


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沖縄の日本復帰50年に合わせた決議を採択する衆院沖縄北方特別委=21日午後

 【東京】衆院沖縄北方対策特別委員会(阿部知子委員長)は21日、沖縄の日本復帰50年についての決議を賛成多数で可決した。決議文では、「沖縄の自立的発展」や米軍基地の問題について「抜本的改善」を求めた。自民党や立憲民主党など5会派の共同提案として提出されたが、日米地位協定の見直しに触れられなかったことから共産党が反対した。月内にも開かれる衆院本会議でも、「米軍基地の負担軽減」や「沖縄振興」への取り組みなどを盛り込んだ復帰50年に関する決議が採決される見込みだ。

 上京中の玉城デニー知事は同日、記者団に「沖縄について議論されたということについては有意義なことだ」と述べた。松野博一官房長官は同日午後の会見で「決議の趣旨を十分に尊重する」として、沖縄振興と基地負担の軽減に取り組む考えを示した。

 可決されたのは、「沖縄の本土復帰50年及び沖縄問題の解決促進に関する件」とする決議。

 5月15日に復帰50年の節目を迎えるのを踏まえ、「沖縄が抱える問題の解決に向けて最大限の努力を払う決意を表明する」とした。

 復帰から、これまで5次にわたった沖縄振興の効果について「沖縄の経済社会は、総体として発展」したと一定評価した一方で、低水準にとどまる県民所得や「子どもの貧困」「労働生産性の低さ」などを「解決すべき課題」とした。

 沖縄の基地負担について「米軍専用施設面積の70・3%が集中している」として「沖縄における米軍施設・区域の整理縮小」「早期返還の実現」を、新たな沖縄振興について「沖縄の自立的発展」の実現に向けて「地元の意思を十分尊重」するよう、それぞれ求めた。

 新型コロナウイルス感染の拡大が続く現状を踏まえ、「在日米軍に対し感染拡大防止措置の徹底」も求めた。

 西銘恒三郎沖縄担当相は決議について、「趣旨を十分に尊重し努力してまいりたい」とした。 (安里洋輔)