コロナで困った支払い「食費」が9割 「水道光熱費」は6割 フードサポート利用者調査


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 沖縄県民主医療機関連合会(民医連)は21日、県庁で会見を開き、新型コロナウイルスに起因した困窮事例を報告した。食料品を配布する「フードサポート」の利用者を対象にしたアンケート結果では回答30件(複数回答)のうち、支払いに困ったものとして食費が27件(90%)、水道光熱費が19件(63%)、医療費が11件(37%)だった。民医連の高崎大史事務局次長は「非正規労働者や子育て中の女性、高齢者など、弱い立場の方に困窮度合いが集中している」と述べた。

 調査は民医連が昨年11月に実施した「フードサポート&困りごと相談会」で37件の回答を得た。質問項目ごとに回答数が異なるが、主な生計者の就労状況(回答53件)では25件(48%)が非正規労働者で、世帯収入の影響(回答32件)では25件(78%)が「減った」と答えている。一方で、医療や生活の課題に関する相談については回答者28件のうち、24件(86%)が希望しないと答えた。高崎次長は「必要な情報がまだまだ届いていないので、アウトリーチに力を入れたい」と説明した。

 民医連の聞き取り調査では、経済的な理由による受診控えで治療が遅れた事例があったという。

 民医連に加盟する医療生協生活協同組合の各病院では、困窮者に対して診療費用が無料、または定額になる制度も実施していることから、利用を呼び掛けている。
 (嘉陽拓也)