キングス岸本、3点弾さえ存在感 「いい感じで力が抜けていた」【西地区優勝】


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琉球―島根 第3Q、3点シュートを決めるキングスの岸本隆一

 窮地で勝負強く、頼れる岸本隆一が6500人超の熱気に包まれた沖縄アリーナで存在感を発揮した。第4Q(クオーター)、残り7分で7点差まで詰められ、流れ次第で一気に逆転もあり得る場面だった。

 「いい感じで力が抜けていた。みんなが状況を受け入れて、次のプレーに集中できていた」とタイムアウト後の出だしで得意の3点弾を沈めた。この後も2本を決め、追いすがる島根を要所で引き離した。試合を通して7本中5本と3点弾の精度が高かった。

 キングスを20連勝で止めた島根に対し、チームはがっちりスクラムを組んで勝利を譲らなかった。

 岸本は「冷静さ」をキーワードに挙げたが「練習を積み上げてきた結果なので何とかなると思っていた」と、「なんくるないさー」のうちなー魂も持ち合わせいた。「(3点弾が)落ちたからといって負ける訳ではないし、仲間が拾ってくれる」とリバウンドに強いジャック・クーリーらへの信頼がプレーを支えた。

 1月の天皇杯準々決勝、沖縄アリーナでの信州戦。無観客試合での勝利に「会場で一緒に喜んでくれる人がいなくて複雑な気持ち」と寂しさを口にしていた。西地区1位を決め、チャンピオンシップ準々決勝はホーム戦になる。「沖縄でプレーできることがうれしい。ここまで積み上げてきたものが誇らしい」と達成感をにじませた。

(大城三太)