【沖縄】任期満了に伴う沖縄市長選が24日、投開票され、無所属現職の桑江朝千夫氏(66)=自民、公明推薦=が2万9738票を獲得し、無所属新人で前市議の森山政和氏(73)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし推薦=を1万89票差の大差で破り、3期目の当選を決めた。桑江氏は1期目から目玉公約として掲げた沖縄アリーナ整備を昨年実現させたことなどの「実績」を強調。アリーナを活用した経済活性化、胡屋北交差点へのターミナル整備、子どもの貧困対策などを掲げ、広い支持を得た。投票率は過去最低の45・14%だった。
県政奪還を目指す自民、公明は9月の知事選に向け、県内第2の都市での勝利で大きな弾みを付けた。玉城デニー知事を支える「オール沖縄」勢は1月の名護、南城両市長選、2月の石垣市長選に続く4連敗。沖縄市は玉城知事の地盤でもあり、知事選に向けて大きな打撃となった。
沖縄市は1990年以降、8年ごとに保守と革新が市政を奪い合う流れが続いてきたが、32年ぶりに3期目に突入する長期市政が生まれる。桑江氏の得票数は、過去の沖縄市長選で最多だった18年の3万2761票と比べて3千票余減った。
選挙戦は、新型コロナで落ち込んだ経済の再生、市民所得の底上げに向けた施策、子どもの貧困問題への対応、中心市街地への交通ターミナル整備計画などを巡って、論戦が交わされた。
桑江氏は「後援会がしっかりとした組織体制をつくり、浸透させてくれた。2期8年を評価、これからの4年間の期待が勝利につながったと思っている。まずは心を一つに、2023年のバスケットボールワールドカップを成功させていこう」と抱負を述べた。
投票者総数は4万9781人、有効票数は4万9387、無効票数は394、不受理・持ち帰りはゼロだった。当日有権者数は11万289人(女性5万7743人、男性5万2546人)。
(’22沖縄市長選取材班)
桑江 朝千夫氏(くわえ・さちお) 1956年1月生まれ。市住吉出身。日本大卒。市議3期、県議2期を経て、2014年4月の市長選で初当選した。
【関連記事】
▼沖縄市長3選を果たした桑江朝千夫さん 「貧困連鎖断ち切る」決意新た