県出身・比嘉さん、ファッション・ウィーク東京出展


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 日本の最新ファッションを国内外に発信する「メルセデス・ベンツファッション・ウィーク東京」に、県出身デザイナーの比嘉一成さん(35)が出展する。パリやミラノ、ロンドン、ニューヨークで催される同様の祭典と並ぶ「5大ファッション・ウィーク」の一つ。沖縄を拠点にするデザイナーの出展は珍しく、琉 球藍の藍染めなども用いて作品をつくる比嘉さんは「沖縄からファッションを提案できることを証明し、将来は世界で活躍したい」と意気込んでいる。

「メルセデス・ベンツファッション・ウィーク東京」に出展するデザイナーの比嘉一成さん=9月18日、那覇市内

  同ウィーク東京の前身は「東京コレクション」で、世界に向けた新人デザイナーの登竜門と位置付けられている。県出身者では過去に、ファッションデザイナー の比嘉京子さんや、クリエーティブ・ディレクターの吉田ロベルトさんが東京コレクションに出展した。審査は応募デザイナーの作品とカタログを基に選考され る。比嘉一成さんは、国内外の人気セレクトショップに服を卸している実績も評価された。
 比嘉さんのブランド「Higa」は、15日午後3時30分から渋谷区の「ヒカリエホール」で開かれるコレクションで、ワンピース、スカート、靴など計約 80~90作品を披露。その後、渋谷区恵比寿の「THE ROOM DAIKANYAMA」で催す展示会「NEST+plus PASSAGE」でバイ ヤーとの商談に臨む。
 比嘉さんは出展に当たって「都会と自然の融合」をコンセプトに設定した。ブーゲンビレアや沖縄の空、海、川など沖縄らしい図柄を都会的な雰囲気の服に落 とし込んだ。ピッグスキン(豚皮)を素材にしたジャケットを琉球藍で染めたり、ガジュマルの樹皮の形をアレンジしてワンピースの柄に織り込んだりと、沖縄 が投影されている。
 もともとおしゃれに関心はあったものの、針を持ったのは20歳を過ぎてから。埼玉県の大学で英語を学んでいたが「一生懸けられるような仕事がしたい」と一念発起し、文化服装学院に進んだ。新潟県に本社のある縫製メーカーで働いた経験もある。
 2009年に東京から沖縄に拠点を移した。「シンプルで都会的だけど、どこか自然のぬくもりのある洋服がつくりたい。将来は沖縄で物づくりの環境を整えることが夢」と熱っぽく語った。(高江洲洋子)