復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉4月26日「旧日本軍の虐殺補償、措置で立法も」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。  

 1972年4月26日の琉球新報1面トップは、「復帰後に調査始める/請求権の未処理分/額への不服認めぬ/対象は入会権など/講話前補償は1年内に支払い」との見出しで、返還協定で定められた軍用地復元補償などを除いた沖縄県民の請求権について国会での論議を紹介している。

 沖縄復帰に伴う政令の中には交通に関する警察庁関係のものもあり、「3年間は右側通行/復帰後の沖縄の交通」との見出しで、車の最高速度表示もマイル制からキロ制に変更することも記事は伝えている。

 久米島の日本軍による住民虐殺事件について「旧日本軍の虐殺補償/措置で立法も/山中総務長官語る」と、衆院沖縄北方特別委員会での議論の様子を紹介している。

 最後の立法院の議会の記事では「立法院、一般質問を終わる/国康法、全県実施は来年3月/補正予算28日にも可決」と国民健康保険の実施計画などについて議論されていることがわかる。

 さらには「沖縄に独禁法適用/公取委」や「日米安保委、秋か年末に開催/外相、事前協議再検討で」との記事も掲載している。

 

 

 

 

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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。