紅型と織物 新たな拠点 首里染織館 プレオープン


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関係者らにお披露目された首里染織館suikara=25日、那覇市首里(喜瀨守昭撮影)

 琉球びんがたと首里織の伝統技術を次世代に継承するための拠点「首里染織館suikara」が25日、那覇市首里当蔵町にプレオープンした。

 那覇市首里当蔵町に完成した「首里染織館suikara」は、琉球びんがたと首里織の伝統技術を次世代に継承するための拠点として、作品制作の場となる工房や展示ギャラリーのほか、日常使いできる小物などオリジナルグッズの販売コーナーもある。

 30日にグランドオープンする。5月8日まではオープニングウイークとしてワークショップや体験イベントを開催する。

 建物は3階建て。1階の展示ギャラリーは琉球びんがた、首里織の反物を中心に久米島紬や知花花織など他の産地の織物も展示する。首里織や紅型の帯と着物の組み合わせや、尚泰王が着用したと推測される文様を模倣再現し、現代風にアレンジした商品など、現代の生活への取り入れ方も提案している。

 2階は琉球びんがた事業協同組合の工房、3階は那覇伝統織物事業協働組合の工房となっており、後継者育成事業や体験プログラムを行う。

 25日のオープニングセレモニーで、琉球びんがた事業協同組合の屋冨祖幸子理事長は「2年余の歳月をかけ完成した。お披露目でき、喜びとともに大変心が引き締まる思いだ」とあいさつした。

 那覇伝統織物事業協同組合の赤嶺真澄理事長は「琉球王朝時代から、先人のたゆまぬ努力で継承されてきた伝統工芸や文化を次世代に引き継ぎ、沖縄観光の一翼を担う魅力的な施設となるよう頑張っていく」と語った。(玉城江梨子)