沖水、延長の末にサヨナラ負け 食らいつく打線、追加チャンス逃す


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 高校野球の春季九州大会(第150回九州大会)第2日は25日、宮崎市のひなたサンマリンスタジアム宮崎などで1回戦7試合が行われた。沖縄水産は長崎日大に延長十回の1―2でサヨナラ負けした。相手先発投手を打ちあぐね、二回に1点を先制された。七回、2死から6番の芳山海斗が二塁打を放ち出塁。7番玉榮大椰の左越え三塁打で生還し、同点に追い付いた。先発の平田李維に続き、三回途中からマウンドに上がった上原昂也が好リリーフ。延長にもつれ込んだが、十回に3連打されてサヨナラ負けを喫した。

 波佐見(長崎)と九州国際大付(福岡)、大分舞鶴、西日本短大付(福岡)、明豊(大分)、小林西(宮崎)が準々決勝に進んだ。

沖縄水産―長崎日大 7回表沖縄水産2死二塁、左越えに同点適時三塁打を放つ玉榮大椰=25日、宮崎市のひなたサンマリンスタジアム宮崎(長崎新聞社提供)

 3月の選抜大会に出場し実力のある長崎日大に、沖縄水産は粘り強く食らいついた。県春季大会で爆発した打線は相手投手陣に抑え込まれたが、7番の玉榮大椰が4打数3安打で気を吐いた。活躍の一方、追加点のチャンスを逃した玉榮は「とても悔しい」との気持ちをばねに、夏への飛躍を誓う。

 相手の先発左腕に県大会で打率7割の川端南海斗主将らが苦しみ、四回までに三者凡退が3度あった。だが右腕に代わった七回2死、6番の芳山海斗による右翼フェンス直撃の二塁打で勢いづく。続いて打席に立った玉榮は、内角のスライダーを振り抜き、左越え三塁打とし、芳山が生還した。

 玉榮は「自分が打ったらかっこいいかなと、気持ちの面では全然負けていなかった」と振り返る。三回2死満塁のピンチから登板して好投を続ける上原昂也のためにも取りたかった1点だった。しかし追加点は遠かった。九回1死満塁の好機は上原忠監督からスクイズのサインだったが、失敗して補邪飛となり、飛び出た三走が刺され3アウト。玉榮は「心の準備ができず焦りがあった」と反省しつつ「結果をチームで見直し、夏を頑張っていきたい」と前を向いた。
 (金良孝矢)