デイゴやホウオウボクを病害虫から守れ! 沖縄県が対策マニュアル作成


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
開花したホウオウボク(県環境部環境再生課提供)

 沖縄の夏を紅(くれない)に彩る花木「デイゴ」と「ホウオウボク」。道路や公園、学校などに多く植えられ、南国の夏の景観をつくっている。半面、病害虫にむしばまれて枝を切り落とされたり、大量発生した病害虫が木の下に広がったりと美観を損なっているという苦情が上がることもあり、時には人体への健康被害も発生していた。南国・沖縄の夏の美観を守るべく、県は両木に特化した病害虫の予防、診断、防除マニュアルを作成した。県環境部環境再生課は市町村や道路、公園管理者らに配布する予定だが、ホームページでも公開し県民にも活用を呼び掛けている。

 環境再生課によると、市町村、道路、公園管理者らから上がる病害虫の被害報告のうち、デイゴとホウオウボクが特に多かった。防除は剪定(せんてい)が主な手法だが「剪定し過ぎて美観を損ねたり、剪定した部位から逆に病原菌に感染したりすることもあった」(環境再生課)と対応に苦慮していたという。

病害虫被害で枝を切り落とされたデイゴ

 マニュアルは「ベニモンノメイガ」「タイワンキドクガ」といった主な病害虫別に防除だけではなく予防、診断の最新情報を掲載した。

 剪定については、イラストを添えて適切な手法を紹介。農薬については、病害虫それぞれに適したものを検証、整理し、農薬取締法への登録も実現した。予防のための農薬の注入手法を写真で示し、防除のための農薬散布時の告知看板・告知文の例も示すなど、対応に苦慮していた管理現場の声に応えるものにした。

 環境再生課は「デイゴ、ホウオウボク共に沖縄の観光資源の一つ」と指摘。「病害虫それぞれに応じた予防、診断、防除で環境にも美観にも優しい手法を選んでほしい」と話している。

 「デイゴおよびホウオウボクの主要病害虫診断防除マニュアル」は県環境部環境再生課のホームページからダウンロードできる。
 (安里周悟)