戦禍思い、不戦誓う ダバオの塔で3年ぶり慰霊祭 沖縄・糸満市


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ダバオの塔で弔辞を述べる県ダバオ会の山入端嘉弘会長=26日、糸満市の平和祈念公園

 沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園にあるダバオの塔で26日、慰霊祭(県ダバオ会主催)が開かれた。新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの開催となった。同会の山入端嘉弘会長は「ウクライナとロシアの戦争を見るとダバオでの出来事を思い出す。戦争は駄目だ」と平和への思いを話した。

 ダバオの塔は1972年、当時の全国ダバオ会が建て、今年建立50周年を迎えた。太平洋戦争中フィリピン・ミンダナオ島のダバオで亡くなった戦没者と、沖縄からの開拓移民を慰霊するのが目的だった。

 新型コロナウイルス対策で人数を制限し、同会の理事ら約10人が参列した。黙とうをささげた後、手を合わせた。

 ダバオで父親が戦死した平川登子さん(84)は「久しぶりに慰霊祭ができてよかった。小さい時に父と遊んだことを思い出す」と父親をしのんだ。
 (狩俣悠喜)