米駐日大使と玉城知事が初面談「沖縄は日米に重要」


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表敬訪問で県庁を訪れたラーム・エマニュエル米駐日大使(左)に首里城をあしらった漆器を贈る玉城デニー知事=27日午後、(又吉康秀撮影)

 玉城デニー知事は27日、米国のラーム・エマニュエル駐日大使と県庁で会談した。エマニュエル氏と玉城知事の面談は、来日後初めて。会談後、取材に応じた玉城知事は、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設については言及せず「復帰後も50年間、基地問題で県民は苦しめられており、沖縄から基地を減らすことは必要だ」と申し出たことを明らかにした。

 これに対し、エマニュエル氏は「米軍は良き隣人でないといけない」「海兵隊はグアムへの移転をしっかり考えている」「沖縄は日米にとって戦略的に重要な場所にある」との三つの考えを述べるにとどめたという。

 玉城知事は辺野古に言及しなかった理由について「辺野古だけではなく、広大な基地が復帰50年後も残り続けることが異常だと認識してほしかった。辺野古とか『普天間』とか言うとその問題が解決すれば終わりとなりかねない」と説明した。

 一方、玉城知事によると、エマニュエル氏は「中国の国力台頭などで日米同盟は岐路に立っている。今後3年間の日米の協力が、今後30年間のインド、アジア太平洋地域の将来を決める」などと述べた。玉城知事は発言の意図について「日米の同盟体制に言及されたものではないかと思う」と受けとめた。

 沖縄県知事が米国駐日大使と会談するのは2017年11月以来、4年5カ月ぶり。

 その後、エマニュエル氏は赤嶺昇県議会議長とも面談した。面談後の報道陣の取材に赤嶺議長は、米軍機からの落下物や有機フッ素化合物(PFOS)の問題の改善を大使に求めたとした。 (梅田正覚、大嶺雅俊)