嘉手納と普天間の爆音訴訟団、来月16日に行政別訴訟を合同提訴 


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米軍嘉手納基地

 米軍基地による騒音被害などを受けている周辺住民が、米軍機の飛行差し止めなどを求める「第4次嘉手納爆音訴訟」と「第3次普天間爆音訴訟」の原告の一部が、合同で行政訴訟の提起を検討していることについて、5月16日に那覇地裁に訴えを起こす方針であることが27日、弁護団への取材で分かった。異なる基地の被害を受ける住民が、一緒になって訴訟を起こすのは珍しい。

 行政訴訟では米軍機の飛行差し止めを米国に求める地位にあることや、違法な爆音にさらされない地位にあることなどの確認を国に求める。原告は2訴訟から選出し、計二十数人を予定している。弁護団によると、被害状況は基地ごとに異なり、通常の民事訴訟で複数の基地被害をまとめて訴えるのは難しい。行政訴訟では、行政の違法性に焦点が置かれるため、合同でやることは不可能ではないという。

 飛行差し止めなどを求める第4次嘉手納と第3次普天間の2訴訟は、地裁沖縄支部で係争中。これまでの爆音訴訟では、飛行差し止めについて、米軍施設の運用は日本の法の支配が及ばないとした「第三者行為論」によって退けられている。

 弁護団の高木吉朗弁護士は、これまでの爆音訴訟の判決でも違法な爆音被害だと認定されていると指摘。「この状態を国が何もせずに放っているのは違法だ。司法はどこまで踏み込んでくれるのか問いたい」と述べた。